【現地レポート⑦】笑顔を絶やさず、いざ、U15新時代へ!
2021年1月8日
4 日間にわたる「Jr.ウインターカップ2020-21 2020年度 第 1 回 全国 U15 バスケットボール選手権大会 (大会呼称:Jr.ウインターカップ2020-21)」が閉幕した。
男子の初代 Jr.ウインターカップ王者は秋田市立城南中学校 (秋田)。
準優勝は NLG INFINITY (群馬)、3 位はレバンガ北海道 U15 (北海道) と奥田バスケットボールクラブ (富山)。
女子の初代 Jr.ウインターカップ女王は四日市メリノール学院中学 (三重)。
準優勝は京都精華学園中学 (京都)、3 位は J,sphere (愛知) とサザンギャルズ1031 (栃木)。
新型コロナウィルスは今大会にも大きな影響を与え、現状を鑑みて出場を辞退するチームもあったほどだ。同じような不安を抱えながら、大会期間中に聞こえてきた首都圏 1 都 3 県の緊急事態宣言発出要請に、参加した選手も、コーチも、そして応援する保護者の方々も「最後まで大会ができるのだろうか?」という心配があったはずだ。
そうした不安や心配のなかでも自分たちのバスケットを貫き、大会最終日まで勝ち残った上記 8 チームに改めて拍手を送りたい。
勝敗の分かれるスポーツ。ゆえに、そこにはもちろん勝因や敗因が横たわる。
しかし選手たちは最後まで試合ができる楽しさを存分に味わっていた。それは試合中に彼ら、彼女らが垣間見せる笑顔が物語っている。
「前半は中途半端にやってしまって、思い切りよくプレーできていなかったので、後半からは『思い切りよく、楽しんでプレーしてこい』って稲垣愛ヘッドコーチに言われたので、楽しんでプレーしました」
女子決勝戦で 5 本の 3 ポイントシュートを沈め、26得点をあげた四日市メリノール学院中学のキャプテン、#4 東紅花は試合をそう振り返っている。ここまで思うような結果を出せずに苦しんでいたシューターが楽しむことを思い出したとき、彼女のシュートはおもしろいようにゴールネットを揺らしていた。
「僕も秋田県では背の高い方ですけど、今大会で対戦したどのチームもみんな背が高くて、体を張るのがとてもつらかったです。でもアドレナリンが出ていて、いつもは出ないような力が出ました」
男子決勝戦で31得点、11リバウンドの “ダブルダブル” を達成した秋田市立城南中学の #5 小川瑛次郎。彼は184センチと、突出した高さはないだが、最後まで攻守において体を張り続けた。決勝戦の相手は195センチの川島悠翔だったが、アドレナリンの効果か、コンタクトを他の市でいたのか、サイズの差に圧倒されることはなかった。
その川島にしても、決勝戦で敗れながら、今大会の楽しさをこう語っている。
「どのチームもとても強い相手だったので、全力で向かって、みんなで勝てたことがとてもうれしかったです。しかも全試合が接戦だったので、接戦での緊張感とか、勝ったときの喜び、仲間と抱き合って、喜びをかみしめているところが楽しかったし、うれしかったです」
女子の決勝戦で敗れ、試合後は大粒の涙を流した京都精華学園中学の #4 堀内桜花も最後には感謝を口にしている。
「コロナで出場を辞退したチームがあるなかでも、この大会を開催してくださったことにすごく感謝しています。また予選で負けて出られなかったチームもあるなかで、私たちは最後にこのような素晴らしい試合ができて、すごくうれしいです」
彼女もまた試合中に笑顔を湛えた、いい表情を見せてくれた選手のひとりである。
彼ら、彼女らの笑顔には、単に勝った、練習の成果を出せたというだけではない、バスケットボールの楽しさがふんだんにちりばめられていた。中学校の部活動、クラブチーム、B.LEAGUE のユースチームといった同じ U15 のなかでカテゴリーを超えて行われた初めての「Jr.ウインターカップ」は間違いなく未来につながっていく大会になる。
3 年生はこの春、中学を卒業すると同時に “U15” を卒業する。U18 という新しい舞台へと羽ばたいていくわけだ。しかし “U15” がなくなるわけではない。続く “U15” たちが同じように努力を重ね、バスケットボールの楽しさ、奥深さに触れるべく、この大会に戻ってくる。来年もまたワクワクするような選手たちが出てくることに期待したい。
困難の絶えない時期だからこそ、笑顔を絶やさず、いざ、U15 の新時代へ――。
【男子大会ベストファイブ】
小川瑛次郎 (秋田市立城南中学校 #5)
佐々木陸 (秋田市立城南中学校 #6)
川島悠翔 (NLG INFINITY #0)
内藤耀悠 (レバンガ北海道 U15 #11)
高田将吾 (奥田バスケットボールクラブ #9)
【女子大会ベストファイブ】
東紅花 (四日市メリノール学院中学校 #4)
福王怜奈 (四日市メリノール学院中学校 #15)
ディマロ ジェシカ ワリエビモ エレ (京都精華学園中学校 #15)
佐々木アリシタ那夕 (J,sphere #5)
齋田夢良 (サザンギャルズ1031 #8)