現地レポート

【現地レポート⑥】目指せ、八村越え! 奥田のエース、覚醒のとき

2021年1月6日

 男子のベスト 4 をかけた準々決勝はいずれも壮絶なゲームばかりだった。勝ち上がったのはレバンガ北海道 U15 (北海道)、秋田市立城南中学校 (秋田)、NLG INFINITY (群馬)、そして奥田バスケットボールクラブ (富山) である。

「Jr.ウインターカップ2020-21 2020年度 第 1 回 全国 U15 バスケットボール選手権大会 (大会呼称:Jr.ウインターカップ2020-21)」の男子準々決勝、奥田バスケットボールクラブは青龍 U15 バスケットボールクラブ (山形) を破った。最終スコアは66-61。第 1 クォーターはリードしていたが、第 2 クォーターで逆転され、第 3 クォーターの終了と同時に逆転のシュートを決め、逃げ切った。そんなゲームだった。

 試合後、奥田バスケットボールクラブの坂本穰治コーチは選手たちをこう評している。
「蟻の一穴というか、この子たちは本当に経験がないから、ひとつミスをすると堤防が崩れるようにドドドドと大きくなってしまう。そうした経験をこの大会の前に先にしておきたかったんだけど、今年はそれができなくて、いきなりこの大会に来ているわけです。今日も彼らの弱いところが出ていました。でも今日の 2 試合でそれを克服する一歩を垣間見た気がします。もちろん完璧ではないですけど」
 経験豊富な坂本コーチからすれば、彼らは全国で戦うにはあまりにも経験が乏しい。そこに不安を感じ、初戦から技術や戦術以前にどう我慢するかなど、心も持ち方を伝えてきた。
 しかも今日の 1 試合目、広島ドラゴンフライズ U15 との対戦でキャプテンの #4 高田蓮央が左の上腕を痛めてしまう。そんな苦境のなかで彼らは広島ドラゴンフライズ U15 に逆転勝ちし、青龍 U15 バスケットボールクラブにも逆転勝ちをした。大会のなかで彼らは間違いなく成長を遂げているのである。

 準々決勝を勝利に導いた立役者の 1 人、2 年生エースの #9 高田将吾はハーフタイムで坂本コーチからかけられた言葉で気持ちが切り替わったと明かす。
「チームの戦術というか、同じことしかやっていないと言われたんです。これまでいろんなことを教えてもらったんですけど、それをすべて出し切れ、全国の舞台でしかできないことをを出し切れと言われました」
 富山県内だけではわからないことが全国の舞台ではゴロゴロと転がっている。それに目を背けて、チーム戦術に沿っているだけでは進歩がない。上記のとおり、キャプテンの #4 高田もケガをして試合に出られる状態ではない。1 回戦と、直前の 3 回戦でファウルトラブルに陥った #9 高田とすれば、これまで支えてもらった先輩たちに恩を返すのは今しかない。
 コーチの言葉とチームメイトへの思い。後半、#9 高田はこれまで以上にゴールにアタックし、シュートをねじ込んだ。そして第 3 クォーターが終了するブザーと同時にフローターシュートを決め、逆転に導いている。
「相手がシュートを外して、自分たちのボールになったとき、タイマーを見たらまだ 5 秒あったので『レイアップに持っていける』と思いました。ここで決めたら第 4 クォーターのチームの士気も上がりますし、そういうことを意識して、エースである自分が決めきるという思いでやりました」
 2 年生エースのこの覚醒は、間違いなくチームの士気を上げた。追い上げてくる青龍 U15 バスケットボールクラブをみんなの力で押し返し、逃げ切ったのである。

 奥田バスケットボールクラブは明日の準決勝で NLG INFINITY と対戦する。#9 高田のマッチアップは195センチの川島悠翔になるだろう。#9 高田は言う。
「195センチって全国でもなかなかいない身長だと思うので、自分はすべてを出し切るだけです。逃げずに挑戦して、残り 1 年の結果につなげられるような試合にしたいです」
 坂本コーチからすれば2012年、埼玉県でおこなわれた「全国中学校バスケットボール大会」以来の全国ベスト 4 である。そのときは決勝戦まで勝ち進み、そこで敗れている。エースは八村塁 (ワシントン・ウィザーズ)。2021年のエースはチームをどこまで導けるだろうか――。

【男子準決勝進出チーム】
レバンガ北海道 U15 (北海道)
秋田市立城南中学校 (秋田)
NLG INFINITY (群馬)
奥田バスケットボールクラブ (富山)

【女子準決勝進出チーム】
京都精華学園中学 (京都)
J.sphere (愛知)
四日市メリノール学院中学 (三重)
サザンギャルズ1031 (栃木)

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